瀬川昌久さん出版と表彰をお祝いする会

Cafe Cotton Club 新橋 東京大学元総長の蓮實重彦さんもお祝いのお言葉をのべてくださいました。 新著で対談相手を務めた映画評論家の蓮実重彦・元東大学長もマイクを握り、「終戦にあたり日本の復員兵を無事に日本に届ける仕事をしてくださり、(横浜に帰港…

『ハッピーアワー』

元町映画館、シアター・イメージフォーラム ”この若い作家の視覚は、背景となった神戸の町を、まるでジャック・リヴェットの撮るパリのような非現実的な空間へと変容せしめ、女性たちを、ジョン・キャサベテスの撮る存在のような驚異の生々しさへと変容せし…

『アンジェリカの微笑み』

Bunkamuraル・シネマ 微笑みは、生者の特権か、 それとも死者の特権か。 そのあるかないかの隙間に 忍びこむオリヴェイラは、 生死を超えた異界へと見る者を 陶然と誘う。

『ディアーディアー』

テアトル新宿 この「いさぎのよい」演出は、驚嘆にあたいする 長編第一作『ディアー ディアー』をスタンダード・サイズで撮りあげた新人監督の「いさぎのよい」演出には、驚嘆すべきものがある。 人物たちが、男も女も、台詞を述べているときより、黙って画…

『黒衣の刺客』

新宿ピカデリーほか全国ロードショー 秘境で刺客に仕立て上げられた黒衣の女は音もなく敵の傍らに忍びより、いったん剣を抜けば太刀打ちできる男など一人もいない。 では、殺戮の指令に女はどこまで忠実に振る舞うのか。 待ちに待った侯孝賢の新作は、その顛…

映画の素肌 - 蓮實重彦映画批評選〈シネマ 4〉(영화의 맨살 - 하스미 시게히코 영화 비평선〈시네마 4〉)

エモーションブックス(이모션북스) http://www.djuna.kr/xe/board/12647760 http://www.hani.co.kr/arti/culture/book/706305.html http://www.cine21.com/news/view/mag_id/81324 http://blog.aladin.co.kr/culture/7951297 http://www.cine21.com/news/v…

映画時評 2012-2014

講談社

『遺言』

ユーロスペース 若い女性に拳銃を握らせるという『遺言』の発想は気に入った。 複数の人物をおさめる二、三の画面をのぞいて 室内ショットもほぼ完璧だし、戸外の光景も申し分なく撮れており、 大胆な溶暗による語りも聡明である。ただ、引き金を引くか 引か…

『THE COCKPIT』

ユーロスペース アングルの限定が、画面の時間と空間とを嘘のように豊かに押し拡げているという確かな演出によって、三宅唱は、世界の偉大な映画作家たちさながらに、ドキュメンタリーをまぎれもないフィクションとして撮りあげている。嘘だと思うなら、終わ…

『やさしい女』

新宿武蔵野館 女優はこのように撮れと、ブレッソンはいっているかのようだ。 そう思って視線を向けた画面で、ドミニク・サンダは、一瞬ごとに、 女優を遥かに超えた女へと、艶めかしく変貌してゆく。

『神々のたそがれ』

ユーロスペース ≪ 傑作の概念を遥かに超えた途方もない作品 ≫ これを見ずに映画など語ってはならない。 傑作の概念を遥かに超えたこの途方もない作品を前に、久方ぶりにそう断言しうる僥倖を、彼岸のゲルマン監督に感謝しよう。

蓮實重彦名誉教授講演会 「曖昧さ」について-『「ボヴァリー夫人」論』を例として (東大新図書館トークイベント12)

蓮實重彦名誉教授講演 「曖昧さ」について-『「ボヴァリー夫人」論』を例として 蓮實名誉教授と石田副館長の対談 質疑応答 東京大学総合図書館1F 洋雑誌閲覧室 いかなる歴史的な時代においても、人類は「長編小説」の普遍的な形式を定義したことはない。「散…

「ボヴァリー夫人」拾遺

羽鳥書店

MoMAニューヨーク近代美術館映画コレクション 『香も高きケンタッキー』

東京国立近代美術館フィルムセンター 京橋、フィルムセンターでジョン・フォード『香も高きケンタッキー』『譽れの一番乗』 蓮實重彦がチケット発売1時間前くらいにやって来てほとんど自分が作ったような行列の最後尾に並んでいて良かった。

ジョン・フォード監督生誕120年!「駅馬車」「静かなる男」上映

シネマート新宿、シネマート心斎橋 J・フォードには躊躇も逡巡も当惑もいっさい無用だ! 期待にはずむ晴れやかな表情さえ自粛しながら、誰よりもさきに映画館に駆けつければよい。

ダニエル・シュミット─思考する猫 トーク

オーディトリウム渋谷

『「ボヴァリー夫人」論』(筑摩書房)刊行記念 蓮實重彦 とことん『ボヴァリー夫人』論を語る

Bibliothèque(ビブリオテック)

マルコ・ベロッキオ特集

渋谷 シアター・イメージフォーラム これを見ずして映画は語れないといった大袈裟な台詞を ごく自然に口にさせてしまう『ポケットの中の握り拳』には、やはり心が乱れる。

『収容病棟』

渋谷 シアター・イメージフォーラム この苛酷な光景をこれほど面白そうに眺めてよいものだろうか。 そう訝りながらも、最後まで息をつめて見まもってしまった。

『ボヴァリー夫人』論

筑摩書房 https://www.facebook.com/casio.abe/posts/741296929261641 https://www.facebook.com/casio.abe/posts/742232972501370 http://franzjoseph.blog134.fc2.com/blog-entry-53.html

『グランド・ブダペスト・ホテル』

TOHOシネマズ シャンテ、シネマカリテ他全国ロードショー 自分の両親さえまだ生まれていなかった時代に、郷愁にも湿らず、パロディにも逃れず、ひたすら真摯な視線を向けるウェス・アンダーソンは、映画の勝利を鮮やかに謳歌する。

ジャック・タチ映画祭

渋谷 シアター・イメージフォーラム 無言のタチは、何食わぬ素振りで、画面一杯に映画を炸裂させる。この魔術に、抵抗は無用だ!

『セインツ ―約束の果て―』

シネマート新宿ほか テキサス育ちのこの新人監督の長編第二作には、二十一世紀に撮られた最も美しいショットと、 最も心に浸みるオーヴァーラップがまぎれ込んでいる。これを見逃してよい理由はない。

『時』

神戸映画資料館 作者の「気持ちはよくわかる」という反応は、決して誉め言葉ではない。ただ、「気持ちはよくわかる」という反応が積極的な意味を持つケースも、ごく稀に存在する。木村卓司の『時』がそれにあたる。この作品を撮った監督の「気持ち」は、とめ…

『HOMESICK』

オーディトリウム渋谷 『HOMESICK』は悪くない。むしろ優れた作品だとさえいえる。 だが、廣原暁の真の素晴らしさは、自分にはもっと凄いことができるぞとかなり大ぴらにつぶやいているかにみえることだ。 実際、この男なら、二十一世紀初の「壮大な失敗作」…

アメリカを撃つ ―孤高の映画作家 ロバート・クレイマー

ユーロスペース ロバート・クレイマーについて ロバート・クレイマーもまた、アメリカ人でありながら、過去20年間のほとんどをヨーロッパで暮らした。その間、ドキュメンタリーとフィクションを交互に撮り、『エッジ』『アイス』など60年代後半に鋭い作品を…

大久保清朗博士論文公開審査

論文題目:「呪われた映画の詩学 『浮雲』とその時代」 審査委員:刈間文俊(主査)・内野儀・菅原克也・蓮實重彦・松浦寿輝 東京大学駒場キャンパス 18号館 コラボレーションルーム1

『三姉妹〜雲南の子』

シアター・イメージフォーラム 少女たちの乱れた呼吸や、咳こみや、粗末な靴の立てる足音が、 山肌を吹きぬける風、家畜や鳥の啼き声、大人たちの罵声と饗応しあう。 この豊かな音の炸裂ぶりを聞き逃してよいはずがない。

『ポッポー町の人々』

神戸映画資料館 鈴木卓爾監督の新作『ポッポー町の人々』、とても気に入りました。雨の街頭がよい。路面電車がよい。薬屋と本屋がよい。とりわけ、どこか行き違った老若男女の出会いと別れが愉快でした。秀逸!

文学部文学科フランス文学専修主催 公開講演会「小説、散文、フィクション ― フローベールをめぐって Roman, prose, fiction ― autour de Flaubert」 『かのように』のフィクション概念に関する批判的な考察 ― 『ボヴァリー夫人』を例として Réflexion critique sur la notion fictionnelle du “Comme si” ― l’exemple de Madame Bovary

立教大学池袋キャンパス マキムホール(15号館)3階 M301教室