日仏交流150周年記念 フランス映画の秘宝 《シネマテーク・フランセーズのコレクションを中心に》 開会式

 初日の『誰でもかまわない』の前に開会式のスピーチで蓮實重彦さんが、「わたくしの「初恋」の女優の出演作が2作上映されることは、わたくしにとって小さな喜びです」というようなことを話された。一人は『罪の天使たち』に出演しているアンドレ・クレマンという女優。ただ今回見たかぎりでは、主演格のルネ・フォールとジャニー・オルトの他は出演者の名前が特定できず、結局最後までどの修道女がクレマンなのか分からなかった。無念。
 それで、もう一人の女優であるが、これがアンドレ・クレマン以上に聞き慣れない名前で、しかもどの映画に出演しているのか蓮實さんはおっしゃらず、気がついたら忘れていた(orz)。開会式に参加した知人の何人かにあたっても覚えていないという。ということでご本人に直接メールで問い合わせるという暴挙に出る。
 「こんなことでお手を煩わせて恐縮ですが、もう一人の女優のお名前をお教え頂けましたら幸甚です」とか何とか書きそえて、えいやっ!とばかり送信。戦々恐々(こういう心境を俗にwktkというのかな)。返信なんて来ないだろうなあと思いきや3時間後にサクッと返信。たった一言「どうでもよい話ですが、開会式で挙げた名前は、Odile Versoisです。」(赤字指定は原文ママ)。オディール・ヴェルソワ。ロジェ・レーナルトの『最後の休暇』に出演していた少女である。素っ気ない文章だが(それだけにいっそう)赤の色指定に戦慄した。これが本当の赤の誘惑だとか馬鹿なことを考えつつ、やっぱり聞くんじゃなかったと思う。もう遅いが。アンドレ・クレマンとオディール・ヴェルソワ。2人の名は死ぬまで忘れないだろう。