『随想』

  • 新潮社

この書物の蓮實重彦の文章は、ほんとうに名人芸の域に達している。事実とフィクションの間を往来しながら、現在と過去を往来しながら、言葉を刻むことの現在を確実に生きている。

ともあれ、『随想』(新潮社)は連載時より拝読しておりましたが、まずは蓮實重彦様が偉大なるストーリーテラーであられることをあらためて痛感いたしました次第でございます。自戒を込めて申しますが、あの見事な文章上の時空間操作には、凡百の小説家が確実に打ちのめされるほかないものと存じます。

まことに恐れ多いことでございます。RT @nwkn: 蓮實重彦氏の新刊『随想』(新潮社)、…時評の軽やかさと思想書の深さをあわせもつこの自在な文章は「あとがき」によれば「同じ時期に他誌に連載中だった阿部和重…『ピストルズ』への、氏の迷惑も顧みない身勝手なオマージュ」だという!

蓮實重彦『随想』読了。やっぱり個人的に面白かったのは「散文の昨日性」と、磯崎憲一郎に触れた回ですね。

蓮實重彦『随想』読む。この、誰にも文句の言えない言わせない言いようのない最高強度のディレッタンティズムエリーティズム。蓮實氏としてはやや例外的なことに、ご自身のジャズリスナーとしての思い出を綴られてるのが印象的。

http://book.asahi.com/review/TKY201010120059.html