『ハッピーアワー』

”この若い作家の視覚は、背景となった神戸の町を、まるでジャック・リヴェットの撮るパリのような非現実的な空間へと変容せしめ、女性たちを、ジョン・キャサベテスの撮る存在のような驚異の生々しさへと変容せしめている。にもかかわらず、この二十一世紀の女性映画は増村保造にすら似ておらず、独自のあやうさとしたたかさのなかで揺れ続け、見るものを魅了する。上映時間の5時間17分は、平成日本には過ぎた貴重な贈りものだといえる。これを玩味せずにおく理由などまったく存在しない。必見!!!”