《新潮 2016年4月号》

  • 新潮社

“伯爵夫人”を収録。
[新聞]
http://dd.hokkaido-np.co.jp/cont/bunngeijihyou/2-0055036.html
http://www.sankei.com/life/news/160327/lif1603270036-n1.html
http://www.asahi.com/articles/ASJ3X5R4MJ3XUCVL029.html
[ブログ]
http://d.hatena.ne.jp/knakajii/20160421/p1
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『キャロル』

  • TOHOシネマズ六本木他全国ロードショー

傑作である。
夫もいれば恋人もいる二人の女性が、
1950年代ニューヨークの歳末のデパートで出会う!
売り娘ルーニー・マーラと
顧客のケイト・ブランシェットの艶やかな視線の交わしあい!!
その宿命的な遭遇の行く末を、
誰もが陶然と息をつめて見守るしかない!!!

瀬川昌久さん出版と表彰をお祝いする会

  • Cafe Cotton Club 新橋

東京大学元総長の蓮實重彦さんもお祝いのお言葉をのべてくださいました。

新著で対談相手を務めた映画評論家の蓮実重彦・元東大学長もマイクを握り、「終戦にあたり日本の復員兵を無事に日本に届ける仕事をしてくださり、(横浜に帰港した氷川丸で)瀬川プロデュース第1号となるジャズ演奏が行われました」と功績をたたえた。

『ハッピーアワー』

”この若い作家の視覚は、背景となった神戸の町を、まるでジャック・リヴェットの撮るパリのような非現実的な空間へと変容せしめ、女性たちを、ジョン・キャサベテスの撮る存在のような驚異の生々しさへと変容せしめている。にもかかわらず、この二十一世紀の女性映画は増村保造にすら似ておらず、独自のあやうさとしたたかさのなかで揺れ続け、見るものを魅了する。上映時間の5時間17分は、平成日本には過ぎた貴重な贈りものだといえる。これを玩味せずにおく理由などまったく存在しない。必見!!!”

『ディアーディアー』

この「いさぎのよい」演出は、驚嘆にあたいする
長編第一作『ディアー ディアー』をスタンダード・サイズで撮りあげた新人監督の「いさぎのよい」演出には、驚嘆すべきものがある。
人物たちが、男も女も、台詞を述べているときより、黙って画面におさまっているときの方が遥かに雄弁だという、何とも的確な「いさぎのよい」画面の連鎖。
大きくて重そうな工場の扉が開かれる瞬間を真っ暗な内部から撮ることで始まる物語が、その扉が閉ざされる瞬間に終わるという視覚的に「いさぎのよい」几帳面さ。ある神話的な動物の不在と現存とをめぐってばらばらになっていた兄弟姉妹が、父親の通夜の晩に、男二人が喪服のまま木魚を凶器として乱闘を演じ、真夜中に女二人が無人の学校の教室で出刃包丁を光らせて乱闘し、その光景を外部からのロングショットでとらえるという「いさぎのよい」的確なキャメラの位置。
その乱闘中の停電が、曖昧に素描されていた神話的な動物と無縁でないことがわかるという、事態の推移の映画的な「いさぎのよさ」。喪服姿の兄弟姉妹が納骨時に父の墓前でふと彼方に視線を向けると、その視界に神話的な動物がほんの一瞬姿を見せるといういかにも呆気ない「いさぎのよさ」。
そのとき一つに結ばれる三人を演じる中村ゆり斉藤陽一郎、桐生コウジの「いさぎのよい」存在感。
あと十分ほど上映時間を短縮すれば傑作たりえただろう『ディアー ディアー』は、まさに真っ暗な工場のような映画館の暗闇で見られるべき「いさぎのよい」作品にほかならない。

『黒衣の刺客』

秘境で刺客に仕立て上げられた黒衣の女は音もなく敵の傍らに忍びより、いったん剣を抜けば太刀打ちできる男など一人もいない。
では、殺戮の指令に女はどこまで忠実に振る舞うのか。
待ちに待った侯孝賢の新作は、その顛末を、息を飲む美しさで描き切ってみせる。