第13回 カイエ・デュ・シネマ週間 『アルテミスの膝』『ジャン・ブリカールの道程』

ストローブの新作を見たいがために一時間近く前に日仏に行くが、それでも楽勝だったので拍子抜けする。じきにアテネで字幕付きで見られるとはいえ、こんなこと初めてでは。上映後、フィトゥッシくん(今回も助監督を務めた)のQ&Aがあり、その気もなかったので何も考えず油断していたら、通訳の藤原くんと目が合ってしまい、「クズウくん、何か質問ないの」といきなり一発目にふられたので(ふるなよ)大いに動揺してしまい、しょうもないことを口走ってしまったような気が。次に質問された蓮實先生(私よりさらに早くチケットを求めに来られていて、畏敬の念を新たにする)は「順撮りなのか」「ガンマイクしか使わなかったのか」というさすがに本質を衝いた質問で、フィトゥッシくんの答えはいずれもウィ(実際にはもっと詳しく説明していたが略)。最後に坂本さんにうながされ、フィトゥッシくんがユイレの最期についてのとてもいい話をし、また「魂」についてのいかにも唯物論的なコメントを補足して、皆しんみりとして終了。客席も結構空いていたが、まあ逆に言えば、本当にストローブ(とユイレ)の好きな人たちだけが集まって(たぶん)、ユイレを偲ぶ会みたいになったが、それはそれでとってもいい感じだったのではなかろうか。