『ミューズ・アカデミー』

「美神」を語るのであれば
イタリア語でなくてはなるまいというかのように、
ゲリンは、現代のバルセロナにまずイタリア語を響かせる。
その響きがやがて日々のスペイン語と混じり合い、
ドキュメンタリー的と思われたものが、
いつしかフィクションとわかちがたく結ばれてしまう。
そのサスペンス豊かな混淆が
見るものを途方もなく魅了する。